井上尚弥VSスティーブン・フルトン

未だに井上尚弥VSスティーブン・フルトンの余韻に浸っている。

スーパーバンタム級きってのジャバーであるフルトンを相手に、初回からジャブでコントロールするとは思いもしなかった。フルトンはフィゲロア戦やダニエル・ローマン戦よりも明らかに足のスタンスを広く取っており、突き出すようにして置いた前足のポジショニングで井上のステップインを止めようという作戦。が、井上の踏み込みスピードの前では無力であった。

このステップイン/アウトの速さこそ井上の武器だ。足の動きと連動させて打ってくる為、とにかくジャブの着弾率が他の選手に比べて圧倒的に高い。普通のボクサーが使うその場で打つジャブ、空間把握の為のジャブというのが井上は極端に少なく、初手から殺傷能力がある攻撃が飛んでくるので対戦相手はどうしてもリズムを崩され、井上のジャブに反応せざるを得ない。そしてジャブに下手にリアクションしてしまうとそこからあの地獄のような高速コンビが飛んでくる。

試合前は前述のフィゲロアやローマン、アダム・ロペス戦を参考に展開予想をしていたが、まるで意味がなかった。彼らは一流どころのボクサーではあるが、井上尚弥ではないからだ。別の次元の存在になった井上の全盛期はまだまだ続き、我々ボクシングファンの夢もまだまだ膨らむ。そしてスター選手の試合を観た時はいつもそうだが、トレーニング意欲がムクムクと湧いてくる。中でも井上尚弥は、見る者の筋肉を奮い立たせるスペシャルな存在なのである。

 

 さぁ!今日も10kmのロードワー……クは暑くて危険なのでやめて、自宅でダンベルをちょこっとだけ上げよう。

 

筋肉は一生着続ける服だ。齢40、手入れが肝心。