ノスタルジー

神奈川統一を目指した男たち

先日、神奈川県にて高校生を含む36人の少年達がバイクで集団暴走し、摘発されたというニュースがあった。取るに足りない暴走族のしょうもない事件だが、容疑を認めた少年の一人が話した『神奈川を統一しようと思っていた』という言葉が、滑らかな曲線を描く…

25年前の自分から託されたビデオ

これは、25年前に進研ゼミの付録で貰った『中学王〜中学校進学記念オリジナルビデオ』である。 1995年制作 進研ゼミ中学王 私はこのVHSビデオを25年間開封せずに保管し続けてきた。 何故か? それは今となっては私にも全く分からない……。 だが、少なくとも当…

Feels Like The First Time

肩にトゲの付いたパッドを装着した悪漢が交番に向けて火炎放射器をブッ放し、池の水を抜こうものなら人骨が10や20見つかるのは当たり前の世界であった、私が少年時代を過ごした東京都八王子市。 今回はそんな世紀末の八王子での思い出を語ったワケだが、動画…

ファイナルファンタジー7の性なる思い出

いつもYouTubeは適当にダラダラと喋ったことを短くカットして数分の動画に編集しているのだが、今回の『FF7』に関しては思い入れがある為か20分近く喋ってしまい、かなり多くの部分を削った。とはいっても、削った多くの箇所は唐突に始めたやかんが沸騰する…

錯覚の海

忘年会シーズン到来である。 俺には1年のうちこの時期にしか会うことがないボーネン友達・ボーネン知人が結構いるのだけれど、年に1度の生存確認みたいな感じで連日彼らに会っていると、何とも言葉にしがたい妙な感覚に襲われる瞬間がある。 その感覚が特に…

Private Laughter

頑につぶった目をあっさりとほどいた誠意の土下座仲直りは違反車両をレッカー車で運ぶくらい簡単ででもペニス握る手にふたたび血管が浮いた 恋人に望むこと make me laughLike you use toRemember? I miss the laughter キッチンで大便をすることも部屋の中…

さらば愛しき痴女よ

年末恒例の『流行語大賞』が発表され、お笑いコンビ・日本エレキテル連合の「ダメよ〜、ダメダメ」が年間大賞に選ばれた。その一報を受け、俺の脳裏にはある友人の悲しいエピソードが甦った。 それは友人が痴女系の風俗店へ行った際の出来事であり、従ってこ…

宇宙のランデヴー

ようやく正月気分が抜けてきたと思ったら、なんともう忘年会シーズンである。 いつものメンバーで集まる事もあれば、この時期にしか会わない顔もあり、現状報告に昔話、ついつい酒が進んでしまう。しかし、誰と飲んでいても大抵はいつものあの話題に落ち着く…

卒業文集

部屋の片付けをしていたら、中学校の卒業文集が出てきた。 あの頃の俺は一体どんなことを書いてたんだろうと見てみたのだが、今とほとんど変わりがなくて絶望した。俺はあの頃からほとんど成長していないのだ……。 それにしても、ちょっと背筋が凍っちゃうく…

羽生君と先輩と風俗

昨晩のフィギュアスケートGPシリーズ第3戦。 羽生君が練習中に頭部を負傷しながらも棄権することなく演技に臨んだようだが、頭のダメージは瞬間的反応だけでは計れないから、これはかなり危険なことだ。 脳震盪を起こしていたとのことで、ボクシングをやって…

マイフレンド・亀頭エバー

友人が「子犬を飼い始めたら性欲が激減した」と言っていたが、それはとてもよく分かる。 俺も子猫を拾ってから、カスピ海ほどもあった性欲がすっかり干涸びてしまったからだ。以前はPCの検索履歴が『黒ギャル / 騎乗位 / 痴女 / 日経平均株価 / 乱交』といっ…

NANA

電車の中でスマホを回し見していたギャル達が、 「これナナなのぉ!?」「そ〜ww 高校の頃のあたしーww」「ヘルメット被ってチャリ通学とかウケるんだけどww」 と盛り上がっていたのでぼんやりと聞いてたら、 「あ〜メットねww ちゃんと理由あんだよww……ちょ…

俺がチンピラ男に連れ添うダメ女だった頃

俺には、チンピラ男に連れ添うダメ女だった時期がある。 だがそれは、性転換して今は男として生きている……とかそういう意味ではない。 昔パチンコ好きの友人がいて、「お前が一緒にいると絶対当たるんだよ! 見てるだけでいいからそばにいて!!」と頼み込ま…

AIBOフォーエバー

AIBOの修理サポートが終了したと、元カノから電話があった。 付き合っていた頃、彼女の誕生日プレゼントに贈ったのがAIBOだった。犬好きだったけれどペット不可のアパート暮らしをしていた彼女はとても喜び、AIBOを大事にしてくれた。 結果的に僕らは別れて…

『マネーの虎』出演の黒歴史

かつて、『マネーの虎』というテレビ番組があった。 起業を目指す志願者が投資家たち相手にプレゼンテーションを行ない、事業への出資を求めるという、リアリティ番組だ。プレゼンが認められれば交渉成立、出資金を獲得できる。 ……実を言うと俺もこの番組に…

キッズ・リターン 〜黒板消しとクラス内ヒエラルキー

小学6年生で転校した時、これは何か特別なインパクトを持ち込まなければクラスに馴染めないのではないかという危惧があった。 相手にするのは「俺らこの小学校で6年間過ごしてはりますわww」みたいな自負を持つ、年季の入ったキッズ達だ。6年という歳月の中…

ハイスクール・アウトレイジ

俺が通っていた高校は、典型的なヤンキー校だった。 放課後に不良たちが帰宅しようとする先生の車を囲み、ルーフやボンネットをバンバン叩く光景は日常茶飯事だったし、校内のいたるところにビールや焼酎、ジンの空き瓶が転がっており、校舎は汗と酒の臭気が…

初恋のきた道

夏になると思い出す女がいる。 彼女は小学校の教諭で、俺のクラスの担任だった。生徒と教師という関係でありながら、彼女は夏休みに入る前の放課後、俺を職員室に呼び出しこんな怪しい話を持ちかけてきた。「この本を読んで、400字詰め原稿用紙2枚に感想を書…

今はもうない 〜自慰 of Life〜

インターネットという裸のおネェちゃん見放題装置が普及する以前の時代、己の下半身の奴隷となった思春期の健全なボーイズたちは、スケベ雑誌やエロティック・ビデオを求めて隣町へ遠征するといったことを日常的に行なっていた。 家の近所や学区内でそのよう…

少年アメリカ・アマゾン危機一髪

今日みたいな寒い日だった。小学生の頃、ストーブをつけたまま布団に入り、「これ最強www あったけぇwww ていうか暑いwww」なんて喜んでいるうちに湖畔に浮かぶかまぼこ板みたいにまどろんだ俺は、あっという間に夢の世界へ落ちていった。 数十分後、真夏に…

Every Time We Say Goodbye

高ければ高いほどいいのよ、とあの日彼女は言った。 「もちろん夜景が見たいからなんて理由じゃないわ。私はエレベーターで彼の部屋まで上がって行くあの時間が好きなの。彼の住む階まで運ばれて行くあの時間が」 彼女はそう言ってコーヒーに口をつけた。瞳…

オワ恋クエスト

私は昔の恋人からもらったプレゼントや手紙は結構あっさり捨ててしまったりするのだが、どういうわけか写真はすべてではないにせよ結構残しておいたりする。たまーにひとりで酒でも飲みながらその写真を眺め、過ぎ去った日々に想いを馳せる…ワケはなく、振り…

英雄

もっくんはきっと何かに悩んでいて、けれどわたしにはその悩みが何なのか、さっぱりわからない。 最近、もっくんは自分が流れてきたあの川のほとりで毎日考え事をしている。 その姿はどことなくわたしを不安な気持ちにさせる。犬なんかは鬼ヶ島から帰ってく…

職場のボーイズライフ 後編

後編 ゆでたまごで負った怪我が完治し、私は二週間ぶりに出社した。 「おはよう、米田君」と、コーヒーカップを両手に持った洋子が声をかけた。 私は洋子からカップを受け取り、例の新雑誌の制作状況を聞いてみた。 洋子は笑顔で「順調よ」と応えると、デス…

職場のボーイズライフ 前編

徹夜明けのコーヒーはほんの気休めにしかならなかった。 時刻は午前9時半。 ぽつぽつとあらわれはじめる新人の「おはようございます」にはどことなくぎこちなさがまとわりついていて、重い。新人たちは誰ひとり「徹夜だったんですか」なんて声はかけてこな…

人生で食べた最も美味しいバナナ

文章を書き始めるとあれもこれもと詰め込んでしまい、首を吊ったキリンのような長文になってしまう。 長文が悪いとは決して思わないが、それでも自分のブログを読み直すと「もっとコンパクトに書けるはずだ」という反省点は多々ある。 こうした長文化は結局…

あの頃、エリック・クラプトンと

本当に一時期ではあるのだが、僕には音楽ライターとして雑誌に記事を書いて暮らしていた時代がある。 小遣い稼ぎで始めたアルバイトが編集者の目に留まり、専属のライターとして1年ほど雇われたのだった。その後、様々な幸運が重なったこともあり、雑誌記事…

9つの街 後編

水玉模様のカエルの脚の端っこをそうっと爪でつまみ、わたしは意を決してそれを鍋の中へ放った。鍋にたっぷり入っている淡いオレンジ色の液体にとぷんという音を立ててカエルは沈んでいき、小さな破裂音とともに水色の煙が一筋立ち昇る。「あの……溶けちゃっ…

9つの街 中編

無数の釘が打ちつけられた炊飯釜のような妙な外見のメットを頭に装着し、安田くんは増田さんの指示に従って操作盤にタッチした。安田くんの手が触れるたびに操作盤はキュンだとかポコンといった間抜けな音を上げて、増田さんの「R10、L22!」という叫びに安…

9つの街 前編

こんにゃくマクラの増田さんを師に選ぶことに決めたよ、と安田くんはゆっくり喋って、ゆっくりコーヒーを口に運んで、ポテトをまたゆっくり食べながら話した。 わたしは安田くんを見るたびに、この人はどうしてこんなにのんびり動くことができるのだろうと真…