君たちはどう生きるかとマルハンと妙な色の液体

宮崎駿の最新作を見終えた直後、前列の男達が「ワケわかんねぇ〜」「〝君たちはどう生きるか〟なんて言うから、ギャンブル依存症と業務上横領の問題抱えてる俺が生き方を正すヒントを得られるような説教臭い作品かと期待したが、中途半端だったなぁ。マルハン行こうぜ?」と鮮度100%のフレッシュな感想を残し、颯爽と映画館を後にした。

 

私自身、近年の宮崎駿作品にはある種の説教臭さを感じてもいたが、今作『君たちはどう生きるか』はそうしたメッセージ性よりも、なんというか……「ワシから搾り出された純度100%の蜜じゃああぁぁーーいッ!」とコップに入った妙な色の液体を顔面にブッかけられたような印象だった。それは不味いワケでは決してないが、けれどわがままが過ぎる味だった。もう少し飲みやすくしてれよとも思うが、何せこれは82年モノの一個人の体液なのだ。

喉元を過ぎてもなお、「なんか変なモン飲まされたなぁ……」という気分が抜けず、血中に溶け込んで全身をウネウネと駆け巡る。そんな映画であった。

 

まぁ、宮崎駿の一人称が「ワシ」

なのかどうかは知らんけど……。