『温泉むすめ』とスケベワールド

日本各地の温泉地を擬人化した『温泉むすめ』というキャラクターがツイッターで話題になっていた。今や名刀から名馬、細胞まで何でも擬人化する時代である。こんな商法特に目新しくもないだろう、と思いながら『温泉むすめ』を確認してみたら、これがとんでもなくトガりまくった好キャラだったのだ!

たとえば、山形県の小野川小町なるキャラのプロフィールには「今日こそは夜這いがあるかもとドキドキし、いつも寝不足」とある。つまり、山形の温泉に行けば夜這いを心待ちにする女性と出会えるということではないか!! おそらく、運営側はライターに提案されたプロフに記された夜這いという漢字が難しいので読めなかったか、あるいは実際に温泉地で夜這いを経験した人間の集まりだったのだろう。近年の擬人化商法とはひと味違う、強烈な個性を生むことに成功していると思う。

しかし、残念なことにこのプロフィールは現在は修正され、「布団に入ると妄想が爆発してドキドキし、いつも寝不足」という端にも肉棒にもかからないどうでもいい内容に変更されてしまった。ひょっとしたら運営側は(あれヨバイって読むんだぁ……)と気づいてしまったのかもしれない。何にせよ、夜這いを期待しない小野川小町など、もはや小野川小町ではないだろう。

 

また、このキャラクター達を描いたイラストレーターの中にR18のドスケベ絵を描いている方がいたらしく、一部の人々から「ケシカラン」という怒張した肉棒のような猛り狂った声が上がっているらしい。要するに「スケベワールドの不埒な住人が人間界に入ってくるでねぇ!!」という、いわば村八分的な反応なのだろうが、これは仕事を発注した運営側に問題があるだろう。別名義で描くよう打診するなどやり方はいくらでもあったと思うが、運営側自体がスケベワールドの不純な組織だったのかも知れず、そうであるならばなんかもう、OKだ。

かくいう私もスケベワールドの名誉市民である。フリーランス業ではいかがわしい二次元作品や写真集にモザイク処理を施す仕事をしたこともある。そのようないかがわしい仕事で日銭を稼ぐ一方で、某大学の案内冊子を制作していたりもするのだから、いよいよもっていかがわしい。

上記のようなスケベけしからん派閥の人々は、こうした私の活動にも苦言を呈すだろうか? しかし考えてみてほしい。世の中の酸いも甘いも嚼み分けた、エロもブッダも経験した(過去のブログにも書いたが、私は禅寺に通い坐禅を学んでいる)人間の方が、より厚みのある豊かな人生を送っていると言えはしないだろうか? そしてそんなヒューマンこそ、大学教育に関わる仕事に従事するに相応しくはないだろうか?

 

そんなワケで、今日も私は女性器にボカシをかける。

 

ここだけの話、

少々勃起もしているのだ。

 

-了-