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無職日記 5月2週

友人に「無職って言ってもTOKIOみたいな生き方だってあるワケだしさぁ。職がなくても危機的状況に対応できるサバイバル能力を身につければやってけんじゃない?」と言われて気が楽になると共に、なんだか勇気が湧いてきた。

 

……が、1つ問題があった。

 

TOKIOは無職じゃねぇ。

 

【無職日記 5月第2週】

 

【5月8日(日)】姪っ子とのおままごとで「おかえりなさーい! 今日はどんな仕事をしたの?」と聞かれじわじわと体力とメンタルを削られていたのだが、その痛みにも慣れ最終的には「A社へのプレゼンが成功し仕事を受注できたよ」と笑顔で語る境地へ。おままごとも、無職には立派なリハビリになるのだ。

 

【5月9日(月)】一説では20年後には機械や人工知能によって仕事が代行され消滅する職業もあると言われているが、無職はそうはいかないだろう。機械に無職は務まらないからだ。ひょっとしたら20年後には無職が人間の証になっているかもしれない。そんな時代になる日まで持ちこたえられるのか、俺?

 

【5月10日(火)】歯医者の診察台で横になってたら助手の女の子が「先生……ヒロセさんなんですが、あまりに歯が痛くて今日の通院は見送るそうです」「またか……もう3ヶ月会ってないぞ」と小声でやり取りしてて、自分の歯よりもヒロセさんの歯とメンタルが心配になった。

 

【5月11日(水)】久しぶりに元カノと食事。メニューを眺めてしばし迷ってたら「長すぎ。ひょっとしてお金の事心配してんの? ……ったく、その決断力の無さが無職の長期化に繋がってんでしょ」と説教。無職とは母性本能ではなく罵声本能をくすぐってしまうのだろうか? 俺の金で満腹になり、彼女は千鳥足で帰っていった。

 

【5月12日(木)】コンビニ前に座り込んでノートを広げてた小学校低学年くらいの男の子達が「もう6時半じゃん!? 帰らなきゃ!」「1日24時間じゃ足りないよなぁ〜」「今日は3時間しかできなかったな。また明日やろうぜ、まるバツゲーム!!」と言い合って去って行った。タイムマネジメントを見直してほしい。

 

【5月13日(金)】友人から「1日6時間椅子に座ってると健康リスクが増大する」というデスクワークの危険性みたいな話を聞き、気をつけなければと気を引き締めた。俺の腰掛ける無職という名の玉座の座り心地は信じられないくらい最高。まさに無職は人間をダメにする椅子なのだ。……現に人生のリスクが増大中である。

 

【5月14日(土)】久しぶりに動物園に行って来た。野生が薄れた動物達の平穏な暮らしは、どことなく無職の自分と被って見える。特にやる事もなく、落ちてた布を拾って肩にかけてみるゴリラ。何となく壁を舐めてみるゴリラ。丸太に腰掛け鼻をほじるゴリラ。それらの行動は無為に時間を潰す平日の俺そのものである。つまり俺は……ゴリラなのか?

 

今週の総括

機械に無職は無理。