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無職日記 4月2週

無職日記

世界的人気ボクサー、マニー・パッキャオが引退したと友人に話したら「ふーん。フィリピンの英雄パッキャオもこれで無職か。お前と同じじゃん(笑)」と言われ、何か勇気のようなものが湧いてきた。今や俺は1試合180億稼ぐ男と肩を並べる存在になったとも言えるのだ。


きみもどうだ?


【無職日記 4月第2週】


【4月3日(日)】会社員時代は机に置いたはずの目薬のフタがなくなったりすると腹が立って発狂すらしていたが、今は「ほぉ…?人生とやらは私から職だけでなく目薬のフタまで奪うつもりですか……」と余裕を持って対処した後に発狂するなど、心にゆとりが出来た気がする。これが無職の境地……で、マジで何処に行ったんだよ、目薬のフタはよ。


【4月4日(月)】友人に飯でもどうだと誘われ「俺を動かせるかな……?あなた様の、その働いて手にしたお金で……」と氷上を滑るペンギンのような美しい土下座を披露したところ、ドン引きされながらも奢ってもらう事に成功。プライドを捨てた時、人は自分の殻を破る。俺の殻は0.01mm、世界最薄だ。


【4月5日(火)】職を失ってからの静かな日々には学びがある。今日は部屋の壁のシミがなんとなく猫の顔に見える事を発見し、壁を眺めてニヤついていた。お金をかけなくともこうした「おかしみ」のようなものに出会えるのだ。すべては気の持ちよう。無職も捨てたものではない。……いや、大至急捨てたい。


【4月6日(水)】朝から電車で高校生男女の「わたし春休み中に前田君の事フォローしちゃった」「え!?ツイッターの事?!」「西君に教えてもらって……前田君の心の声、ぜーんぶ聴こえちゃったな〜w 前田君てさぁ、わたしの事……」「ああああストップストップ!!」という会話を耳にして、早くも疲労が頂点に達した。


【4月7日(木)】友人の結婚式の打合せ。友人が俺を式場のお姉さんに紹介する際の「彼が2次会の司会をしてくれる無職ですw」の一言についカッとなり「運が向いていれば月に3日程仕事が来るデザイナーですッ!!」と言ったが、自分を裏切ったような気分になり「……無職です」と言い改めた。心を偽るな。見栄を捨てた時、人は真の無職となる。


【4月8日(金)】ファミレスでカップルが「懐かしいよね。このファミレスで出会ったんだもんね」「不思議なモンだよな、偶然て…」と話していたのだが、「ちょうどあの出窓の席の辺りに車が突っ込んだんだよな」「免許取り立てでブレーキとアクセル間違えちゃって……♡」と予想外の展開になりポテトが喉に詰まる詰まる。


【4月9日(土)】駅の改札前で「どうしよう!?私もう終電ない!」と嘆く女の子が男に「うち来る?こっから歩いて行けるし」と誘われ「えっ、ジュン君ち…?でも……」とためらっていたのだが、「うちオセロもあるし」の一言で「え〜!?行く行くぅっ〜!!」と即決。どんだけ安いオンナなんだよ……。俺も絶ッッ対オセロ買うわ。


今週の総括

就活よりも、まずオセロ。