無職日記 5月4週

気づけばもう5月が終わろうとしている。

無職になりたての頃は「まぁ2〜3ヶ月は遊んで、その後本気を出しましょうかね」などと余裕でいたが、まさかその余裕がその後8ヶ月近く続くとは思ってもみなかった……。

 

これはもう無職の『こち亀』化だ。誰も得しない長期連載だ。

 

俺は、無職をこじらせている。

 

【無職日記 5月第4週】

 

【5月23日(月)】以前面接を受けた会社からお祈りメールが届き、後悔している。面接は究極の一期一会。あれほどニュートラルな状態で見ず知らずの人間と話す機会はそうないだろう。「こいつ、初めて会うのに仕事の話ばかりだな……」と面接官もガッカリしたハズだ……。採用担当の原田さん、もう1度あなたと話がしたい。

 

【5月24日(火)】歯医者の待合室で順番待ちしてたら、スーツのおじさんが飛び込んできて「ホワイトニングできる?! 今すぐに!! 無理?! あー、無理か!!!」と手を振り悪い悪いみたいな仕草しながら出て行った。ここは立ち食い蕎麦屋かよ。

 

【5月25日(水)】スタバでおじさんがMacBookを睨みながら「上段の左端に写ってる男、明日の15時までに消せるか……? どうやら今月退職らしくてな。できれば集合写真からは省きたいというのがクライアントの意向だ。ああ、修正代も取る」と電話してて、金の為なら何でもやるヤバイ組織のボス感が出まくってた。

 

【5月26日(木)】勤務中にも関わらずスマホで通話してたコンビニ店員が、「はぁ!? チャッピーが帰ってきたぁ!? 行方不明になって7年だぞ?! もう15の老犬じゃんかよ!? ……あ、お客さん来たから切るわ。うん、今バイト中なの。お待ちのお客様、どうぞぉ〜っ!!」と爽やかな笑顔を向けてきた。どうぞぉ〜っじゃねぇだろ。

 

【5月27日(金)】飲み屋で男女の「ミホちゃん終電何時?」「24時半くらいかなぁ?」「じゃ、24時半まで飲もう」「ちょっとぉー! それじゃ帰れないでしょぉ? 困るヨォ」「帰ってほしくないから、俺は困らない」「えっ……♡」というトークを耳にしながら食うタコわさ、帰りたい場所があったであろう生き物の味がした。

 

今週の総括

採用面接で仕事の話はするな。