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無職日記 3月2週

最近、俺はよく靴を履いている。


これまで特別意識したことがなかったが、靴というのはとても便利なシロモノだ。まず足を守れる。これがデカイ。舗装されたアスファルトと言えども、裸足で歩くと結構足の裏に切り傷を負うことが多いからだ。また、俺はよくスーパーに行くのだが、裸足で店内を歩くと意外と足の裏が冷える。鮮魚コーナーや肉売り場付近は冷気が漂っているので、床もいくぶん冷えるのだろう。靴を履いているとそうした足の裏の嫌な寒気を感じることがない。靴は優秀な防寒具でもあるのだ。ちなみに、靴下を履いた上で靴を履くと、より多大な恩恵を受けられるので寒い時期にはオススメだ。


こんなに機能性豊かな靴をこれまで履いてこなかった事が俺は恥ずかしい。この勢いで今後は服を着る事にも挑戦してみようかと、最近はそんなふうに考えている。


【無職日記 3月第2週】


【3月6日(日)】仕事を辞めようかと悩む友に「逃避として無職を選択するのなら間違いだ。無職とは明鏡止水に至る過程であり、我々無職は心に浮かぶ欲求の全てを次々に捨て去っていく。為すべき事も為さぬべき事もない。それが無職だ」と説いたら、「……仕事してる方が楽そうだな」と白目。その通りだ。


【3月7日(月)】電車内で交わされる「高校の時A組にいたクンニバルって覚えてる?」「あぁ〜前田だろ?wwあいつの下ネタ、マジ酷かったよなぁ〜(笑)」「あいつさぁ、親の跡継いで住職になったらしいぜ」という会話に想い焦がれる。あだ名の由来はもちろん、その人生も知りたい。クンニバルの事、もっともっと知りたい。


【3月8日(火)】ベランダで日光浴する猫を「お前らは毎日ノーテンキでいいよなぁ…」と眺めてたら、「人間て毎日ノーテンキでいいよニャぁ…」という目で見返された。ベランダで日を浴びてツイッターしながらアイスコーヒー飲んでたらそう思われても無理はないか。ノーテンキな無職は無敵なのだ。


【3月9日(水)】タクシー運転手のおっちゃんと話が弾んでいたのだが「私は10年前の職がライフセーバーで、7年前は日光で猿相手に芸仕込んでましたよ。長い人生、回り道もいいモンです。今は運転手ですが、実はまた他の仕事に目を……あ、次の信号を左折でしたよね?」と目的地に到着しそうだったので、「いえ、真っすぐ進んで下さいッ!!」と回避した。


【3月10日(木)】夕飯は女の子とのデート。ボクシングでつくったパンチだこを見て「なんか職人さんの手って感じがする〜♡」と言ってくれる彼女に対し、つい「職人? 違うな……俺は職人ではない。無職だ」と言ってしまい、一転気まずい雰囲気に……。「こここ、このワイン美味しいねっ」と微笑みかけたが、返事はなかった。


【3月11日(金)】コンビニ前で煙草をふかしてるギャル達が「あれから5年かー。時が経つのってマジ早くね?」「うん……タカシと別れてもう5年かぁ〜」「いや、そーじゃなくてww 震災から」「知ってる…知ってるよ。チャラけただけ」「ミカ……」とかやってて、風に乗って流れてくる煙がエラい目に染みる。


今週の総括


目指せ、明鏡止水。