数年ぶりの『ROCKIN'ON JAPAN』インタビューの転載です。
過去のインタビューはこちらからどうぞ↓
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音楽批評家から「友人に『ガムちょうだい』と言ったら靴の裏を見せられ『剥がして食っていいぞ』と言われたような気分になる作品」と酷評された前作『口パク』から3年半。墓の下で沈黙をガッツリ守っていると思われていたJ-ROCK界のリビングデッド、アメリカ・アマゾンが再び土から這い出した。
まだ口の中に土が詰まっているこの男に、うだつの上がらない人生について語ってもらった。
■復帰の理由
ーーー約3年半ぶりのインタビューとなりますが、墓の下から出てきてリスナーの反応はいかがでしたか?
アメリカ:リスナー? いるワケねぇだろ(笑)
ーーーですよね(笑) しかし、そうなると今回の人間活動再開の理由が気になるところなんですが。だって生きてたって意味がないでしょう?
もうちょい発言をオブラートに包めよ。ただ、それはアレなのよ。結婚式。今週末に親友が結婚するんで、式に出る為にはどうしても墓から出て「洋服の青山」に行く必要があったのさ。
ーーーふーん。
■未練はないし弦もない
ーーー音楽にはもう未練はないんですか? いや、もちろんアメリカさんに才能がないのは理解しています。でもあれだけ稼ぎに繋がらないのに続けていた自称ミュージシャン活動を、そんなにすっぱり諦められるのかなって……。
お前はもうちょい言葉を選べ。でもそうだなぁ、音楽辞めた今も指が無意識のうちにリコーダーの弦を押さえようとして動いちゃうんだよな。
ーーーあの、リコーダーに弦はないと思うんですが。
■大好きだったミッフィーちゃん
ーーー2016年は絵本作家のディック・ブルーナさんが亡くなられて89年ですが……。
また唐突だな(笑)
ーーー少しはインタビューっぽい事しないと僕も「こんな駄文で誌面使うな」って編集長に怒られちゃいますんで。で、ブルーナさんについて何か一言いただけますか?
「ミッフィー」シリーズの大ファンでした。
■嫁さんの育児疲れ
ーーー実は僕、昨年子供が生まれまして。もうじき1歳になるんですが、すぐ泣き出したり食べ物の好き嫌いが多かったりで、嫁さんも育児疲れみたいになってる部分があるんです。もちろん夫として力になってやりたいとは思うんですが、帰宅はいつも終電間際……。でも忙しさにかまけて嫁さんにばかり子供の面倒を押し付けるわけにはいきませんよね。今は少しでも彼女の気が休まればと、休日は僕が子守りを担当して嫁さんには気分転換の外出を薦めたりもしてるんです。
とうとう自分の話をし始めたな(笑) しかも相談かと思ったら自己完結してんじゃねーか。でもまぁナンだ。育児ってのはおとっつぁんとおっかさん、2人力を合わせてするモンだ。お前も気張り過ぎてヘバるんじゃねーぞ。
ーーーアメリカさんも早く結婚して子供ができるといいですね。
余計なお世話だバカヤロウ(笑)
■突然の解雇
ーーーなんか仕事をクビになったって聞いたんですが。
ずいぶん聞こえが悪いな。クビと言っても俺だけじゃなく、社長以外の全社員が会社を辞めたんだ。つまり会社都合の解雇ってやつよ。社長にハッキリと「もう給料払う金がない」って言われてさ……。まぁ退職金はきちんと確保していてくれたんだ、その辺あのクソ野郎には一応感謝しているよ。悪い人間ではなかったからね。
ーーー急に生々しい話になった上にクソ野郎って、思いっ切り本心漏れちゃってますけど……。すると墓の下に引きこもっていたのも解雇が原因だったんですね?
(しばらく思案した後で)……そうとも言えるし、そうでないとも言えるな。というのも俺、気づいちゃったのよ。結局のところ仕事があろうがなかろうが、やる気がないことには一切変わりがないんだってさ。だったらもう人生投げ出してやろうって思ったんだよね。
ーーー人間落ちるとこまで落ちるともう理屈じゃないんですね(笑)
■これから……
ーーーさて、最後になりますが今後の目標などが万が一、万が一おありでしたら……。
これ以上俺を惨めな気持ちにさせんなよ(笑)
ねぇよ、目標なんて。
ーーー本日はありがとうございました。