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錯覚の海

忘年会シーズン到来である。


俺には1年のうちこの時期にしか会うことがないボーネン友達・ボーネン知人が結構いるのだけれど、年に1度の生存確認みたいな感じで連日彼らに会っていると、何とも言葉にしがたい妙な感覚に襲われる瞬間がある。


その感覚が特に顕著なのは、写真を撮っている時だ。俺は人の写真を撮るのが好きで、それも集合写真ではなくなるべくみんなを1人ずつ画に収めたいのだけれど、連日のように懐かしい顔に向けてシャッターを切っていると、



「あれ…?
  俺、死ぬのかな…?」



みたいな、ちょっとうまく言葉に出来ないのだけれどヘンな感じがゾワゾワと背中や睾丸を這うのだ。


よく会う連中も、年に1度しか会わない連中も、ひっくるめて最期のご挨拶というか……。


あぁこいつ、老けたなぁ……
この子、あの頃と変わらずに輝いてんなぁ……


なんというか、人生の黄昏。写真で総決算的な。
酔った頭で写真を振り返ったりするともうヤバイ。


そこに並んだ顔、顔、顔は、どことなく俺の人生のエンドロールのように感じられる。


「あっ!アメリカ君久しぶりー!」


そして俺は再びカメラを向け、ファインダー越しの笑顔と目を合わせてこう錯覚するのだ。



「あれ…?
  俺、死ぬのかな…?」