濃厚な豚骨スープをかき氷にかけて食べたようなアルバムとして絶賛された前作「ヘビに睨まれたカエルに睨まれた俺」から約3年。
沈黙を守り続けてきた気鋭のロック・アーティスト、アメリカ・アマゾンが音楽シーンに帰ってきた。
今回のインタビューでは3年ぶりのアルバムとなる「後出しジャンケンでも勝てやしねぇ」に込められた想いやダウンタウンというお笑いコンビが面白いという話をじっくり聞いた。
■グッピーを飼った
ーーー3年ぶりの新作ですが、この3年間は何を?
アメリカ:干されてた(笑)
ーーーというと?
事務所の社長に酔った勢いで「お前のかみさんと寝たぞ」って喋ったら、翌日から無職になっちゃって(笑)
ーーー(笑)
で、グッピーを飼ってみたり割りばしを削って先端をスゴく尖らせて好きな子をツンツンしたりしてみたんだけど、このままじゃもう生活できないやって思って。何せ仕事が無いわけでしょう? 俺、気づいちゃったのよ。仕事しないと収入って無くなるんだって。
ーーーそれで各レコード会社をあたってみたんですね。
エイベックスにデモテープを6000本くらい送りつけてね。目立てばいいやと思ってたから。そしたらその6000本、全部着払いで返送されてきちゃって。あれは参ったなぁ、金無いんだから、俺。
ーーーでも結局エイベックスとその後契約を結んだわけですよね? 驚きました。
俺が一番驚いたよ(笑)
■浜崎あゆみとの競演
ーーーニューアルバムにはあの浜崎あゆみさんが詞を提供している楽曲がありますよね?
え?
ーーーえっ?
ああ、あるある(笑)あるあるあるある、ある。
ーーー ……。ええと、どういった経緯で浜崎さんにご依頼を?
うーん。まあここだけの話さ、俺が勝手に付けちゃったのよ、作詞:浜崎あゆみって。
ーーーまた干されますよ……
俺たちだけの秘密よ、秘密(笑)
■ラルクが理想型
ーーー歌詞といえば今作ではいつにも増してデタラメというか、とても日本語の素養がある人間が書いた詞とは思えない作品が目立ちますよね。4曲目に収録された「紙コップ」の『紙コップの 原材料 知らずに紙コップ食べる俺 ポップコーンの味がするって 言ってた田中を殴りたい』なんて、正直プロがこんなもの書いちゃいけないレベルだと思います。
お前、俺に喧嘩売ってんのか(笑)
ーーー詞をつくる上で意識していることはあったりするんですか?
まあ出来る限りラルク アン シエルみたいな方向に持ってく努力はしてるよね。
ーーーふぅ〜ん。
■ウヌボラス星じゃ食っていけない
ーーー今回は珍しくバラードも歌ったりしていますが、何か心境の変化が?
今までは俺の曲って第三銀河系にあるウヌボラス星っていう空想の惑星に住む人々を題材にしてたでしょう?
でもわかったんだよね、これ誰も共感してくれてねぇぞって。ウヌボラス星の道路交通法違反の歌なんて誰も興味を持ってくれないワケ。それで今回は徹底的にリアルな自分を描こうと思ったのさ。ありのままの自分を歌ってやろうってね。
ーーーようやくアーティストにインタビューしてるって気がしてきました。
9曲目の「鳴り止まない夜」なんかは、初めて出会い系サイトに登録した晩のことを歌ってるんだよね。
こんなにひっきりなしに女の子からメールが届いたら、俺はいつ寝りゃいいんだと(笑)
ーーーそれサクラだと思うんですけど……
へ? 木?
■コーラをおかわりしたい
あのさ、悪いんだけどコーラもう一杯頼んでもいいかな?
ーーーええ。構いませんよ。
あ、ここは文字起こししなくていいから。カットして、カット。
ーーー当たり前でしょう(笑)
■とにかく金がない
ーーーさて、ニューアルバムを経て今後のアメリカさんの活動というのは…
うん、まず7月にフジロック、8月にサマーソニックに出てみたいよね。
参加したいフェスはそれくらいかなぁ。
ーーーあの、出てみたいじゃなくてちゃんと決まってるスケジュールを教えて欲しいのですが…
これ以上俺を苛めなくてもいいだろ(笑)
ねぇよ、仕事なんて。
ーーー本日はありがとうございました。
了